中国の大学入試「高考(カオカオ)」が7日、全国で一斉に始まった。教育省の統計によると、今年の出願者数は前年より7万人少ない1335万人。出願者数が前年を下回るのは2016年以来となる。
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受験会場になった遼寧省瀋陽の高校では7日朝、受験生は家族らから「緊張しないで」「頑張って」などといった声援を受けながら会場に続々と入っていった。見送る親の中には、縁起がいいとされる赤色や紫色のチャイナドレスを着たり、ひまわりの花を掲げたりして応援する人も多かった。
高考の出願者数は18年から昨年まで過去最多を更新してきた。今年減少した背景について、現地メディアは、外国の大学に進学したり、5年制の専門高校を卒業後、すぐに就職したりと進路が多様化しているためと報じている。
今年は「双一流」と呼ばれる世界トップクラスの大学を目指す重点大学の募集枠が2万人増えることもあり、昨年79.6%だった合格率は上がると予測されている。しかし「双一流」に合格できるのは、出願者数の5%ほどと言われており、競争が激しい状況に変わりはない。
近年、スマホを使って試験の問題を会場外に送信する不正が相次いでいる。湖北省などでは、試験中に機器を使用するなどの不審な行為をAI(人工知能)で覚知するシステムを使い、カンニング防止にあたっているという。